次元大介@医者してMUSCLE!

我、医学部再受験成功シ、医師トナル。知力ヨリモ体力。

~病畜編その④~「汝、7の7倍まで許せ。それ以上は許すな。」

そんな折に台風が来た。僕は各方面に遺書を送った。ある人は真面目に、ある人は鼻で笑ったけれど、僕は本気だった。
言葉の通じない人にも誠意を尽くして何度も避難してくださいと頼んだが、逆ギレされて塩をまかれるくらいの勢いであった。
誠意は尽くした。と僕は判断して大量の水を買い込んで一番被害が激しくなるであろう箇所に乗り込んだ。途中、休憩したSAでも道行く人々に被害がすごくなるからせめて水だけでも買ってくださいとお願いしたが、実際に買ってくれたのはたった一人。
僕は無力感を感じた。
堀木(仮)とも決別したし、僕には生きる意味もない。
my life as a dog.

こんなときに脳裏に浮かぶのはあの子の笑顔だった。

いや、まだ死なねぇぞ。

このまま死んだら研修で気を病んで死んでしまった人になるじゃないか。アイツラの思うがままなんて癪に障る。

持ち前の反逆精神だけが僕を動かす原動力だった。

わかってくれない、それがどうした。

助けたい、だから助ける。それでいいんじゃないのか

なんのために医師になったんだ。


中には義憤にかられている僕をからかって遊ぶ人もいた。
大人なので軽くあしらったが、目の前にいたら確実に。。。

結局、僕は助けたい人のためだけに医師になったんじゃない。
助けたくない人までも助けるために医師になったんだ。というのを思い出した。

何事もなくて、あとから笑われてもいい。世界がそれで平和なら、僕は甘んじて笑いものになる。

数日後、僕は部屋の中で頭を抱えていた。部屋の中には大量の水。
はははっ、なーにやってんだか。
まだ僕は生きる運命らしい。
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まだ、免許とったからには生きろってことかな。

~病畜編その③~「汝、7の7倍まで許せ。それ以上は許すな。」

「さよなら、堀木(仮)」


 堀木(仮)は僕のブログによく登場する、僕のメンターである。お互い留年やらなんやらしたせいで学年は違っていたが、それでも毎日のように会ってたし、なんやかんや仲が良かった。

 しかし、お互いの成長速度が変わってきてからはそうも行かなくなった。
 堀木(仮)には堀木(仮)の生き方が、僕には僕の生き方がある、という悲しい事実がだんだんと明確化されてきたのだ。
 堀木(仮)は苦労人であった。一方僕はそうでもなく、ただ生きがいのために働いている面があった。そういうところも鼻についたのであろう。だんだんとラインも耐えがちになり、今どこでどんな仕事をしているのかも聞きにくい雰囲気となってきた。

 さよならなのかな?と思ってても怖くて聞けない。いつまでも僕のメンターでいて欲しいという思いがあった。

 さて、最近大きな台風が来た。僕の住む地域を直撃するコースだ。
 病院内では非常招集もありえる、みたいな空気が流れていた。それぐらいひどい台風が来たのだ。

 さよならだけが人生だ、なんてつぶやきながら僕は海抜1.5メートルの宿舎前の荒れ狂う用水路を眺めていた。

 もし、この腐った病院で死ぬなら…彼にはちゃんと言っておかなければならない。
 尊敬してました。友達でいてくれてありがとう、と。運良く生き延びたら会いたいですね。と。

 お互いに、正直であることが友達の条件だった二人だ。返事はすぐ来た。

「了解しました。もう会えることもないでしょう。」

あのあてもなくドライブしていた日々の中では、こういう日が毎日続くんだろうなと思ってた。お互いにびわ医を出たあとも年に何回か酒飲んだりして。
 しかし、もうお別れのときが来た。
 さよならだけが人生だ。

~病畜編その②~「汝、7の7倍まで許せ。それ以上は許すな。」

 こうして僕はぎりぎりのところを救われた。逃げ?そんなんどうでもいい。僕の人生、逃げてばかりだ。
my life as a dog.
ただ、あいつらだけは許せない。7の7倍までは許した。それ以上は許すな。

というわけで僕は証拠を集めて院内コンプライアンス委員会に訴えた。そして首謀格の看護師は首になった。
めでたしめでたし。
となるわけもなく、僕はますますいじめられるようになった。看護師全体を敵にまわしたんだもんな。そりゃそうさ。

不眠は続き、僕は立ったまま気絶するようになった。車の運転中も気絶して、車を大破させた。
こうして僕は産業医との面談を受けることとなった。

そしたらどうだ。今度は仮病扱いだ。なんなんだ、この病院は…

僕は真剣に研修中断を考え始めた。

もういいかな。
なんで僕が。そんなに歳を取ってから医学部を受け直すことが悪いのか。
なんなんだ、この田舎病院は。嫌なら採用するなよ。毒づきながらも僕は必死でニコニコと無視してくる相手に挨拶を続けていた。
虚しい。
しかし、ここで自分が相手に対して挨拶をしなくなったらそれが本当の負けだ、となんとなく感じていた。

おはよう御座います。
……

お疲れさまです。
……

田舎特有のいやらしさを煮詰めたような病院だった。



~病畜編その①~「汝、7の7倍まで許せ。それ以上は許すな。」

御存知の通り、僕は年増の初期研修医となった。年増の研修医、だけどお得意のユーモアセンスでなんとか意地悪な看護師さんたちに取り入ろうと思ってた。心がけさえ注意すれば大丈夫。医療者はみな聖人君子さ。

臣くん (1)



そう、思ってたよ。そう思ってたんだ。そう。そう思ってたよ。
仮に・・・・そうじゃないにしても・・・・・物事はうまい方向にしか転がらない。ひろこの法則じゃないか。

結果?

メタメタにやられたさ。


年増で指先が不器用ということでなにかといじめられる→寝ようとすると心臓がバクバクするようになる→当然不眠→業務に障害がでて、業務中にたったまま気絶するように寝る→上級医からも叱られて、一部の上級医からは厳重注意を受ける→理由が理由だけに弁解できない→「理由を言え」と迫られる→「かくかくしかじかで・・・・」→「嘘つくな!」


こうして僕は追い詰められていった。
暑い暑い地域の夏の中、僕はジャック・ダニエルをストレートでがぶ飲みするようになった。いくら飲んでも酔えない。

たまーに、たまに。
僕は、ある計画について考えていた、と思う。ていうかそもそもあんなきつい洋酒をストレートでがぶ飲みすること自体がゆるやかな計画の遂行だったに違いない。

「7の7倍は49…」
なにかの隠語かよ、とつぶやきつつ僕は車でその日も相談者さんのもとに駆けつけていった。どうせ、どうせそうなるなら、せめて人の役に立って・・・・という想いがあったんだろうと思う。

瀬戸際のところで僕は救われたんだ。今となってはそう思う。
天使がいた。

医師国家試験に合格して

 だいぶ長い間、このカテゴリの記事を書いてなかったので、書いてみようと思う。前回は卒業時のときだから、今回は国試のときやね。でも特定されるのが嫌だから、あくまでもこの記事はフィクションとして読んで欲しい。


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