医学部再受験のコツ:数学編。

これをおおざっぱな時間配分として利用しましょう。国語と倫理は10月から始めるのでおいといて、それまでは英:数:物:化=2:2:1:1の割合でやればいいのです。一日8時間程度ならば英語と数学は2時間30分、物理と化学は1時間30分という風に活用してください。再受験生に限らず大学受験者は皆得意な科目に時間を割きがちです。それを防ぐためにも大まかな時間配分を決めておきましょう。(増える点数)/(費やす時間)を常に意識しないと無駄な勉強時間が増えるだけです。
さて話を戻します。医学部再受験生が文系だったか理系だったかで成績は変わりますが、勉強方法は変わりません。
まず用意するのは網羅系の問題集と公式集と紙です。
黄チャート
かニューアクションΩ
公式集 (モノグラフ)
を傍らに、そしてA4サイズの印刷用紙を用意しましょう。用意ができたらまずインプットです。
一般的には数学の勉強と言ったら自力で問題を解くことを指しますが、最初から自力で解いてはいけません。数学も英語と同じように、最初に基本的な例題の解法を覚える必要があります。覚えるといっても問題集の解答を一字一句学覚えるのではなく、解に至るまでの流れを覚えるのです。AだからB、BだからCという風にどのように繋がっていくのかを意識しながら解答を見て、紙に書き殴ってください。ノートと違ってきれいに書く必要はありません。ボールペンを使ってとにかく手を動かしてください。その際に「これがこうなって・・・」という風に独り言っぽく解法を声に出すとより効果的です。
例題の解法を覚えた次の日に、対応する問題を解いてみてください。1、2分問題を見て解けそうになかったらもう一度例題に戻りましょう。ぱっと思い浮かばないのは例題を理解していない証拠です。解く際の注意点ですが、必ず手を動かしてください。「わからないから書けない」ではなく、「書かないからわからない」なのです。思考は言語化して初めて意味を持ちます。解けそうになくても、与えられた条件とか式を書いているとそのうちに解法を思い出すことが多々あります。
復習として一週間前にやった問題を解いてみましょう。問題集に解いた日付を書いておくと便利です。さて復習ですが、改めて解き直すのは時間がかかり過ぎます。問題を見ても解法が思い浮かばない場合のみ、改めて解き直してください。医学部に合格するためにはたとえ一日十二時間やったとしても安心できません。限られた時間の中でいかに効率的に勉強するかがポイントですので無駄な時間は削っていきましょう。
網羅系の問題集、チャート式についてですがレベルは以下のように設定されてます。
* チャート式 数学(赤チャート)
o 教科書標準レベルから東大や京大レベルまで対応。一番難易度が高く設定されている。
* チャート式 基礎からの数学(青チャート)
o 教科書基本レベルから国公立大学と私立大学の上位大学レベルまで対応。問題をとき進めるための、完成ノート(単元別)が販売されている。
* チャート式 解法と演習 数学(黄チャート)
o 教科書基本レベルから国公立大学と私立大学の中堅大学レベルまで対応。問題をとき進めるための、完成ノート(単元別)が販売されている。
* チャート式 基礎と演習 数学(白チャート)
o 教科書基本レベル~センター試験程度まで対応してある。一番難易度が低く設定されている。
この中で医学部受験レベルとしては青か黄(もしくはニューアクションΩ)で十分です。医学部を狙うからといって赤チャートの難しい問題をやる必要はありません。医学部に合格する人は点を取りこぼさない人です。難しい問題は解けなくても合格できます。寧ろ数学をそこそこのレベルまで上げて、不得意科目に余った時間をあてていく方が賢い選択でしょう。網羅系の問題集をやる場合は書き殴る感じでやってください。
さて網羅系が終わった後ですが大学の過去問と以下の問題集に手を付けてください。今度は実際の入試の時のように丁寧に解答を創り上げてください。勉強の進め方は一緒ですが、より実戦らしくしていきます。5分考えて何も浮かばなかったら解を見て学ぶ、20分以内に解けなかったら効率の悪い解き方をしている証拠なので解を見てスマートな解法を覚える。こんな感じで実戦慣れしておきましょう。ここで本格的に解答を作成する練習に入るわけですが、公式などを使う場合は必ず一度は公式集で確認しておきましょう。公式をうろ覚えのまま使うのは避けてください。関連するところを読んでいくと違った切り口が得られることもあります。
ここで解答を間違えた際に、「どこで間違えたのか」「自分には何が足りなかったのか」「この問題で問題作成者は何を問おうとしているのか」ということまで意識すると学習の深みが増します。
「良問プラチカ」
「新数学スタンダード演習」
「理系数学入試の核心・標準編」
「理系数学入試の核心・難関大編」
大学の過去問だけでは足りなくなったら全国大学数学入試問題詳解 医歯薬系大学・学部 総集編をお勧めします。
過去問をやる場合は実際にA4の紙を大問分用意し、時間を決めてやってみてください。数学と物理のように、ひらめきを要する科目の試験はパニックになることが多いです。センター試験で94%もとれる人が本番では焦ってしまい大問一個しか解けなかったなどという悲劇はよく聞く話です。
それではパニックに陥らないためにはどうすればよいのでしょうか。それは解ける問題から解いていくことに尽きます。まず問題用紙を眺めて、解けそうなものから手を付けていくのです。この際に、5分考えて解けそうになかったら次を当たってください。一問無事に解けたらまた問題用紙を眺めて解けそうな問題を探してください。何回問題用紙を眺めても問題自体は変わりませんが、別の問題を解いている間に脳が刺激されて、違った解法を思いつくことがあります。なので問題を解き終えるごとに問題用紙を見直してください。それとは別に、単に問題文の読みこぼしが見つかる場合もあります。強くプレッシャーがかかる試験会場では普段では考えられない平凡なミスが起こるのです。これが「試験会場には魔物が住む」と言われてるゆえんでもあります。また前述した通り、必ず手を動かしてください。手が止まると余計に焦りが生じます。
青チャートの基本例題は全問正解できますが重要例題になると解答が理解できないことが多々あります。私としては今、本質の解法で基礎に戻っていますが黄チャートのかわりに本質の解法→過去問とマセマの実力UPに進もうと思っていますが。どうでしょうか。志望は滋賀医科大学医学部医学科です。
おはようございます。
青チャートの例題ができてるならある程度は基礎ができてると思うので本質の解法はやらなくてもいいかもしれません。科目全体との兼ね合いをみて、時間がありそうだったらやるくらいでいいでしょう。
いまくらいからだと過去問と実力アップを数周ぐらいで年末になりそうですし。
青チャートの例題といっても完璧なのは基本例題のみですが次元先生の言う例題とは基本例題のみですか?
例題とは重要例題までです。理解度確認を兼ねてやってみてください。
わかりました。早速やってみます。
黄色チャートの例題に対応する下の問題は基本的にわからなくても答えを見てはダメなのですか?
五分粘ってもわからなかったら答えを見たほうがいいですね。本番でも五分というのが捨てる捨てないの基準ですし。
まとめると
例題の解法暗記↓
翌日例題に対応する下の問題解いてみる↓
解けないと答えを見て、もう一度例題も覚えなす・・・
合ってますか??
何度もすみません
そうですね。面倒ですけど、そうやって穴を埋めていくしかないのでコツコツやっていってください。
ありがとうございました。
チャートは解説が薄い。
面白いほどわかる(中継出版と小学館)と
東京出版の書物を流し読みするべき
黄チャートはエクササイズまでやった方がいいですか?
黄チャートはエクササイズもやったほうがいいですね。やることで、でできなかったところを炙りだして穴を埋めることができるようになりますし。
こんばんは。数学についての質問です。
滋賀医科大学の数学はかなり難しいですが、
数学が超得意ってわけじゃなくても大丈夫でしょうか?
やはり東大とか京大合格レベルの数学力は必要ですか?
超得意ではなくてもあまり差がつかないので大丈夫とは思いますが、その分他の科目やセンターで稼ぐ必要があります。京大の過去問を解いておくといいですよ。傾向が似てます。
遅れてごめんなさい、返信ありがとうございます。
分かりました、25ヵ年や世界一分かりやすい京大数学などやってみます。
付け焼き刃的な学習として、ハイレベル理系数学を暗記するのはどう思われますか?
やさしい理系数学でもいい気はしますが、ハイレベル理系数学でも解けるのであればやっといてもいいかもしれません。
分かりました。どうもありがとうございました。
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数学系の問題を解く時によく起こりますね。僕はそれを脳疲労と読んでましたが。
多分脳を使う部位の違いから来るもので、大量に脳内物質を使用してしまっていて、その物質が枯渇しているから再び元の量に戻るまで時間がかかるということだと思います。
今思えばサプリメント等を使って脳疲労から早めに回復されるようにすればよかったと思いますが、一体どのサプリが効くのかもわからなかったため、僕はサンドイッチ法を使ってました。
サンドイッチ法とは数学系→暗記系→数学系→暗記系と交互にやる方法のことです。これくらいしか対処方法はありませんでしたね。
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次元さんは黄チャートを基本的にオススメされてますか?青チャートより黄チャートで基礎を網羅してから次の段階の教材にううった方が良いでしょうか?
ぶしつけな質問ですみません。助言いただけると幸いです。
網羅系で飽きが来ないでやれるのは黄チャートくらいなものなので黄チャートをおすすめしてます。青チャートもいいですが、センター試験は黄チャートレベルの問題が出てきますし、ちょうどいいのではないかと。
という訳で黄チャートの方がいいと思います。
丁寧にお返答いただき、本当にありがとうございます。参考になりました。
総合的研究と言う網羅型参考書がありますが、レベル的には黄チャートと同様でしょうか。解説が詳しく分かりやすいと聞いたので黄チャートよりも良いかなと思ったのですが、やはり黄チャートにしておいた方が無難でしょうか。
近くの本屋に総合的研究が置いてなかったのでなんとも言えません。すみません。
ありがとうございます。大丈夫です。参考書評みたいな真似をさせてしまいすみませんでした。
旧課程の数学は3cまで教科書レベルは習ったのですが、新課程、更に数年のブランクがある為忘れてるので教科書レベル、それこそこれでわかる数学からやり直した方が無難でしょうか。
そうですね、いちど簡単な導入書を読んでからの方が全体の流れがつかめてよいと思います。さらっと読む程度でよいのでやってみてください。でも基本は問題を解くことにあるのですぐに問題集に移った方がよいと思います。
返信ありがとうございます。問題集に移るとしても白チャートレベルだと遠回りになる可能性がありますよね?
白チャートはやったことがないのでわかりませんが、センターと二次の基本的な部分を固めるにはレベル的に黄チャートのみでいい気がします。チャート式は分量が多いのでどちらかの色を選んでください。
黄チャートの例題+練習問題から1対1に接続するのは可能でしょうか?
青から接続する人が多いと聞き、不安になってしまいました。
管理人さんの黄色の使い方とは違うのですが…
もし1対1やったことなかったらすみません。
黄茶から一対一で大丈夫ですよ。
ありがとうございます。
エクササイズはやってないんですけど、大丈夫ですかね?
大丈夫と思います
ありがとうございます。
管理人さんはチャート1Aの平面図形の証明問題も全てやりましたか?
量多すぎ&あんまり出題されないっぽいでモチベーション下がりまくってます。
初見で証明できそうなものは全て飛ばしてましたよ。モチベ下がるなら、飛ばしてしまっても構わない気がします。
数学は、定理や公式の証明までできるようにすべき、というふうに言われますが、次元さんもそうしていましたか?
もしやる場合、どの辺までやらなければならないのでしょう?
大方できるようになってればいいかなと。よく出るやつはできたほうがいいですね。
千葉医、日本医科大、日大医志望なんですが黄チャートは例題までなのかエクササイズまでやるべきなのでしょうか?
エクササイズもAとBでは問題レベルが違う気がします
できればエクササイズまでやってほしいです。
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