My best friend's wedding.

先日、友人が結婚するということで人生初の結婚式に参加してきた。結婚式に参加する機会は何度かあったのだけどタイミング悪く病気で寝込んでいたりしていたので今回が人生初の結婚式だったのだ。
いざ結婚式に参加するとなるとご祝儀袋やそれを包む布、白いネクタイとハンカチーフ、Yシャツとかをそろえなくちゃいけなくて大変だったのだけど、いったん用意が済むと今度はまるで遠足前夜のようなワクワク感でいっぱいになった。新郎新婦はゴンドラに乗って登場するのかしら。ウェディングケーキ入刀とかキャンドルサービスとかって本当にやるのかな。二人の馴れ初めとかをスライドショーで流したりするんかいな。新婦側の友人は多分医療関係者が多いだろうから友達になっといた方が何かと相談できそうだ。。。などと考えつつご祝儀袋に入れる一万円札にアイロンをかけてしわを伸ばしていた。
前日の金曜日になると妙に気合いが入り、いつものバーベル部(大学非公認)の部活にも力が入った。六月の目標であった90kg、三本三セットを達成し、風呂場で念入りに頭髪とひげを三ミリにそろえた。いつものことだけど頭をバリカンで刈ると精神が引き締まる。僕が坊主を続ける理由がそこにある。
そしていよいよ当日、医学部の面接よりもビシッと決めて鴨川沿いの式場に行くと一時間近くも早くついてしまった。それから遅れること十数分、スピーチを担当する友人が到着。ようやく唯一の知り合いを見つけてホッとして二人で待合室のソファに座った。なんだか上品な従業員が飲み物を勧めてくる。上質のサービスに嬉しくなって2杯もアイスコーヒーを飲んでしまった。挨拶もそこそこに友人はスピーチをイメージトレーニングするからと言って虚空を見つめて集中しだしたので僕は隣で鴨川を眺めることにした。あぁ、鴨川のあそこから見えた対岸の灯りはここの式場だったのか。対岸の川端通り沿いにある小さな公園の滑り台で子供が遊んでいる。はしゃいでる子供とは対照的に僕らは気心の知れた者同士でしか味わえない心地よい沈黙に身を包む。北野武の映画に出てきてもおかしくないな、とふと思って少し笑う。
やがて少しずつ来賓の方々が増えてきた。男性陣はそうでもないけど、女性陣はやたらとゴージャスだ。きれいなドレスを着て、髪を完璧にセットしている。いい匂いもする(僕は香水に弱い)。ここがキャバクラだったら一時間八千円はかたい。いや、こっちも負けてない。ここがホストクラブだったら一時間三千円はいける。負けてるやん。などと下らないことを考えているうちに時間となった。友人はようやくスピーチのイメトレが済んだらしい。学会とかで発表慣れをしている彼でさえもこんなに緊張するとは。僕じゃなくてよかった。長い付き合いのある新郎のことだからそこらへんはちゃんと適性を見抜いたと思われる。僕は真面目にやろうとすると緊張でがちがちになり、リラックスしてやろうとすると必ずなにかしらギャグを入れてしまう。ワルノリして暴露話とかもしてしまうかもしれんし。手堅いところはさすがだな、と妙な感心をした。
4階に上がり、人前挙式が始まった。ようやく新郎の姿が見れるとワクワクしながら待っていたら灰色のタキシードを着て後ろのドアから登場した。なぜかニヤニヤしてたので皆つられて笑う。確かに上海ヌーンに出てきたジャッキーチェンを思い出したけど。タイで現地人と間違えられるくらいのアジア顔だしなぁ。 新婦さんはとても幸せそうでかわいらしい。そういえば阿蘇山のユースホステルに行った時、友人の携帯にこの子からのメールが届いた瞬間を偶然目撃したことがあった。「送信者:ちっち」と表示されてた。ほぉー、ちっちと呼んでいるのかと思わずニヤニヤしたのを思い出した。まぁ僕も「はちみつちゃん(英訳:ハニー)」と呼んだりすることもあったし人のことは言えないが。幸せいっぱいな二人をまじまじと見つめてるのもなんだか照れくさいので挙式の間はずっと友人の背後に見える道路沿いの小さな公園を眺めていた。さっきの子供がまだ遊んでいる。あれぐらい小さな子供だった人が成長して、やがて家庭を築いていくようになるんだなと考えるとなんだか不思議な感じがした。バイオリン奏者のビバルディがまた胸に染みた。クラシックはいい。
披露宴になって新婦側の友人と同じテーブルになり、また緊張し始めた。こんな着飾った女性と同席したのは初めてだ。思わずウィスキーを飲む。柔道家の鈴木桂治に似ててかっこいいと言われた。恐縮してリービングラスベガスのニコラスケイジのように再びウィスキーを飲む。三杯くらいこそっと飲み続けてたらようやくスイッチが入り、高田純次トークができるようになった。「今年の新入生の約三分の一は再受験生で入学式は加齢臭がした」「18歳の女の子にクン付けで呼ばれている」「勝負服はひかりスーパーで買う」などの自虐的医学部ライフトークでひとしきり笑わせたら任務を果たした様な気分になり、後はスピーチが終わってホッとした友人とビール片手に語り合っていた。新郎新婦の生い立ちスライドショーで感動して泣いている新婦側の友人を見てもらい泣きする。一つの時代が終わった気がした。さらば、自由で放埒な日々よ。席上の二人を見ていると雰囲気がよく似ている。あぁ、ぴったりだなと安心して少し寂しくも感じる。病気で寝込んだり孤独に勉強したりしていた時もよく励ましてくれたなぁ、と今更ながら実感して感謝した。彼女を通じて得た医学部の情報を提供してモチベーションを上げてくれたりしたなぁ(例:医学生はモテモテ。特に再受験生は年上好きな女子に人気。注:実際に入って確かめて下さい(涙))。京都大学時代は本当に落ちこぼれでどうしようもなかったけど友人には恵まれていたな、と自分の許せない歴史を認められそうな気がした。
少し感傷的になったり、大笑いしたりで忙しくしていたら二次会になり、友人の勤めていた会社の同僚たちと意気投合。名刺をもらったらみんな「~博士」と書いてある。さすがアカデミック。お堅い話が出るのかなと思ったらさすが関西人。みんなノリがいい。清原、清原と呼ばれたり、ワイングラスを片手に女性十数名に囲まれている写真を撮らされたりとかでどんちゃん騒ぎをした。妻が医者という人のノロケ話を聞いて「お前のワイフは世界一だな!」とアメリカンな盛り上げをして楽しんだりしているうちに終電の時間になり、挨拶もそこそこにタクシーで京都駅に向かって終了。
次の朝、もらったはがきとかを整理していてまた少し寂しくなった。
という風な感じの結婚式でした。いい結婚式でした。真面目で感傷的な記事を書こうとして断念しました。無念。
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月曜朝の、ドンヨリ感、
ゼロとまでいけないけれど、減りましたで~。
時給4000円でしまっせ~~~~、フフ。
結婚式って、いいですよね。
私は、人の結婚式で、号泣します。
いつか医学生になって、結婚式呼ばれたら、年上好きの若い男の子で実験してます。
そういえば、タイトルが、映画のタイトルですね。
結婚式はなかなか感動するものですね。
熊系ホストクラブ。これはイケる。飲み物はプロテイン、つまみはササミです。
うるうるくるものですね。
医学生の身分はプラス評価されるのは間違いないですよ。モテモテはわかりませんけど。
あの映画は異性の親友の結婚式を扱ったものですね。異性となるとまた寂しさ倍増かな。
来てくれてほんまに有り難うねー。次は学生結婚する「あなた」の結婚式に出席してみたいです。
あの式場よかったね。僕もするならそこでやろうと思う。
結婚もいいものですな。
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