僕はこんなことを考えていた。
僕はこんなことを考えていた。
「乗り越えられる試練しか与えられない」
こんなセリフをどっかで見た気がする。逆境にいる人にとってはこの言葉は心に染みることだろう。いい言葉だなと僕も常々思っていた。
しかし自殺予防団体で活動をしているうちに考えが変わった。世の中には数多くの乗り越えられなかった人が居る。その人々は自殺者としてカウントされている。彼らは乗り越えられなかったのだ。社会に残った人だけがのほほんと偉そうに「乗り越えられる試練しか与えられない」などとのたまう。「乗り越えられない試練も与えられる」と発言したかった人はもうこの世にいない。そして間違えた格言だけが残る。生者の驕りだ。
僕はこんなことを考えていた。
何度注意しても効果がない人というのは存在する。それは飲み込みが人一倍早いはずの医学生においてもだ。
二年生後期になってから、毎日同じ講義室で授業を受けていた。そうなると自然と座る位置が決まってくる。仲の良いグループ同士で固まって座るようになるのだ。僕は教卓に向かって右前。右翼である。そして最前列はだいたい留年した人か遅刻した人が座る。仲の良い人同士で座っても私語する訳ではないのだが、やっぱりよく知っている人の隣の方が安心する。座れなかった時なんてこんな気持ちである。

ま、そんな席事情は置いといて。私語がうるさいと何度も注意される人がいる。先生が私語を注意する時に見ている方向はいつも同じなので、同じ人が私語を繰り返しているわけだ。
僕は最初、「なんで何度言っても聞かないんだろ」といらいらしてたりしたが、ある日ふと気がついた。期待するのをやめればいらいらしない。そういう特性を持った人で、注意しても意味が無いのだ。それならば別のアプローチでルールをわからせる方が得策のような気がする。
この考え方は重要かもしれないと思って、メモをしといた。
僕はこんなことを考えていた。
大抵の怒りには原因はない。イライラしている→原因は何だ?→あれに違いない!と勝手に判断して怒るのだ。そして怒ってみたところで問題は解決しない。
僕らは怒りに対して幻想を抱いている。「怒ればスッキリする」「私は怒る権利がある」などなど。解剖をしていて、ふとそう考えていた。
僕はこんなことを考えていた。
持続可能な優しさ、というのは付き合う際には大切だ。毎日「愛してるよ、スウィートハート」なんてささやくようなラテンな関係って、すぐに燃え尽きてしまう。

無理して優しくしてたら疲れるだけで、ケンカの元になる。ロマンチストでいていいような年齢もとっくに過ぎたし。

冷たすぎる、と指摘される度に僕が持ち出す言い訳を書いてみた。

僕はこんなことを考えていた。
試験と解剖に追われる毎日にも終わりが見えてきた。覚える、試験を受ける、結果が貼り出される、打ちのめされるの繰り返しで、もともとこれくらいエネルギッシュだった僕も

すっかりこんなんになってしまった。

後期だけで確か27個の試験があった。解剖の合間に試験、という感じのカリキュラム。
何かに追われる毎日。

当初はあったはずの解剖に対する熱意も消え去っていった。

「肝臓はここです」「よし、同定。次行こう」
という作業に成り下がってしまった場面も多々ある。
このまま学年が上がっていったら、人格改造されて別人になってしまいそうである。

これじゃいかんよね!と今日は友人とぼやき合っていた。元から再受験生だ。まともな道を歩んでも楽しくないからここに来たのだ。来期は新しいことに挑戦しよっと。
僕はこんなことを考えていた。
再受験して成功した人は最低でも早慶以上の学歴を持っている。この事実は二通りの解釈ができる。
1:それぐらいの学力がないと受からない。
2:早慶未満の人は上のように考えて尻込みしてしまった。
どっちなんだろうか。誰か2であることを身を持って証明してください。
僕はこんなことを考えていた。

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【恋のメキシカンロック】タイトルと橋幸夫の髪型に朝から大笑いさせていただきました。ほ~後期だけで27の試験ですか?強烈ですね!!!!三流私大卒のワタシには想像も及びません。ところで子供のころからのギモンなんですが俗に言う【アタマの良さ】→モノわかりの速さ だと思いますがこれって結局 集中力なんでしょうか? あとやはり遺伝の占める割合って大きいと思いますが.....(汗)受験生の娘持って....痛感!!笑
3万人ですからね。
この事実は、重いですよね。
外的要因の試練が多すぎるのかも知れませんね。
試験お疲れさまー。こっちの医学部も後期試験が終わって結果の発表する時期です。
こんにちはー
物分りの良さって「わかったこと」と「わかっていないこと」をきちんと把握できる能力だと思いますね。僕なんてしょっちゅう「何がわからないかわからない」というカオスの中に放りこまれます。。。
遺伝要素はどうなんでしょうかねー。遺伝要素なんてないと断言しといて、糾弾されるのを防いどいてくださいね(笑)
お疲れさまー。
ようやく少しはゆっくりできる時期に入りましたか?ワカサギ釣り、楽しそう。またバスに乗って遊びに行きますぞ。
シリアスとギャグの融和という、奥底の知れない日記だと思います^^
元京大生、ボディビル好き、精神科医希望、という要素を混ぜ合わせ、何日か熟成させると、けいたさんになるのかもしれません^^
自殺予防団体というのは知りませんでした。悩める人に共感することで、いい人生勉強ができそうですね。「笑い」的要素はなさそうですが^^
授業中私語をしまくってる奴、僕のクラスにもいました。でもそういう人たちも、三回生四回生と進むにつれ、おしゃべりしなくなりました。五回生になってはポリクリで座学がなくなるので、おしゃべりに苛立つことさえできなくなります。よかったような寂しいような^^
「人は乗り越えられる試練しか与えられない」
「医学部再受験に受かる人は早慶以上の学力を持つ」
それぞれの考察、深いです。
どちらも、生き残った側の言葉が説得力を持っているみたいです。
歴史書は勝者が編纂する、というのと同じ雰囲気を感じます。
こんにちはー。
自殺予防のボランティアをして気づいたのは、話し相手すらいない孤独な人はたくさんいるんだなって事です。
日本はドロップアウトした人はなかなかドロップインできない社会ですし、そういうことが要因かもしれません。
こんにちはー
学校の購買部には「一日寝かせたフレンチトースト」が売っていて、熟成を売りにしているようですが大半の人は「一日中寝るヒマあったら勉強せい!このトースト野郎め!」と感じてます。
私語する人も年齢が上がると自然とおとなしくなるんですかねー。それに期待してみます。
いやー、僕は常々格言とかに疑問を感じるんですよ。多分あまのじゃくだからだと思いますけど。。。酒は百薬の長、なんかも怪しいと思ってます。只今調査中ですが。
こんにちは。学力=遺伝は教育心理学の最近の研究では否定されているようです。もし、本当であれば逆パターンは存在しないことになります。民主党の横粂議員のご両親は確か高卒。本人は東京大→司法試験合格という経歴です。宮本延春さんは「オール1」で中学を卒業して、一度社会に出て、アインシュタインの相対性理論の番組を見てどうしても物理が勉強したくなって、算数ドリルから始めて名古屋大学の理学部を卒業されてます(現在は数学教師)。いずれも、見事に遺伝説をひっくらかえしてます。大事なのはあこがれる人(ロールモデル)、夢中になれるものとの出会いですよね。しかし、これは「僥倖」の部類ですので、学力=遺伝という理由をつけたくなるのかもしれません。ちなみに両親のどちらかが東大だと子供も東大に入りやすい、と聞いたことがあります。身近に「東大卒」がいるので過度の神格化を回避でき、「東大は射程圏」ということを小さいころから知ってるからです(逆に東大圧力で潰れるパターンもありますが)。一度目の大学受験で成功体験がないと、理系最高峰の学部に挑戦しようという気にはならないというのが率直な印象です。そもそもの母集団が少ない→成功者が少ない→「最低でも早慶じゃないと無理」という俗説がはびこる、のパターンが定着しているような気がします。
この国はなんでこんなに自殺者が多いんでしょうね?はっきり言って異常です。一日に100人単位で、先進国では断トツのトップです(これこそ国辱だと思いませんか?)。GNPでも3位に落ちて、この国はこれから坂の下の雲に向かってどうやってランディングしていくのでしょう。カタストロフが起きないようにと願ってますが、何か起きちゃうかも。エジプトのような無血デモならともかく・・・。
こんばんはー
遺伝はないとしても、やはり身近に見本とする例があるほうが努力を続けられるんでしょうかね。
>そもそもの母集団が少ない→成功者が少ない→「最低でも早慶じゃないと無理」という俗説がはびこる、のパターンが定着しているような気がします。
これが原因でしょうか?年齢差別情報もこのパターンが多いような。
ただ学力に関しては、中高の学習によって脳力を鍛えてないと再受験はきついのでは?と思います。
自殺者多いですよね。国の実情に合わせた人生観を再構築しないと生きづらいのかもしれません。
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いつでも受け付けますのでこちらからどうぞー
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(@を消して下さい)
更新お待ちしていました
前々から思ってましたけど、結構自分と似た性格なんだろうなと今回読んでより一層確信しました
まともな道・王道なんて歩むことなんてできない覇道のみしかない、その第一歩が見えない厳しさが常にあります
上でかごめさんが触れている2つの内容は、ほぼ毎日のように考えています
弁護士の大平光代さんやオール1の先生など
ジャンルは違いますが、サッカー元日本代表のカズこと三浦知良選手は、静岡県代表すらなれなかったのに
単身ブラジルへ行ってプロ選手になるという無謀なことをしました
それに比べると自分は、本を出版することにもなれない普通じゃないけど広い範疇では普通過ぎて毎年何千人も入り口に立つことができるもの程度なんて厳しいとは言えたいしたことではないと思えてくるので
良い意味でおかしい人を探すことも重要かもしれません
工業高校を中退して大検から広島医の人も居たと思います
どこまで続くぬかるみぞ内の最後の質問者のことで私は気になっていました
それでもやる奴はやっちゃうよ!という感じです
ここ数年人身事故という名の飛び込み自殺がとても多いと体感しています
以前だったら都心の有名路線ぐらいだったのに最近では近所の駅だとか慣れ親しんだ路線の駅
そんな場所ですら頻繁に起こっています
電車は運が良かったら時間通りに目的地に着く乗り物になりつつあります
WHO基準で計ると10万人超えは確定だとか・・・
一度こけてしまうと立ち上がることは不可能に近いぐらいの困難さというのは身を持って感じます
こんにちはー
少数の人しか行かない道を歩むのは心細いものですね。僕の場合は「引き返しても歩める道などない」と自己暗示をかけて追い込んでました。
> それでもやる奴はやっちゃうよ!という感じです
>
そうなんですよね。はっきりとわかっていることは、挑戦しなかったら絶対医学部に入らないという事だけです。
最低でも早慶以上の人が合格しているという事実や少なくとも京大工以上の偏差値が必要という事実に対してどのように対処するか。「もうちょっと自分に向いたことをしよう」と考えるのか、「とりあえず早慶レベルまで学力あげて、次は京大工、そして最終ゴールは国公立医学部」と計画をたてるのか。どっちの道でもいいと思います。
それにしても日本は自殺が多いですね。病気として取り扱った方がいい気がします。
さきほどはありがとうございました!
うむ、1なのか2なのか難しいですな・・・
とりあえず、私は早慶以上の学力はなかったはずだが、なんとかやってたらここまできた部類だと思いますw良くも悪くも尻込みというものはあまりないですね。
たぶんそれは、一応中高と進学校にいっていて、まわりに医学部を目指す友人が多かったからなのかもしれませんが・・
少なくとも今までの大学受験に関しては成功体験というものを得られていませんね。
それでも私だってやればできるわい!くらいに思ってしまう人間ですw
まあ、口でいうのと実際に勉強し続ける大変さのギャップも味わっていますがww
ということで、私もようやくあと一歩のところまで来ているので、来週頑張って、尻込みしなければ受かるやつもいるんじゃい!ということを証明してみたいと思います(^O^)/
シンプルに考えて最長、中高の六年間分を独学でやり直したるっ!という気力と計画性があれば誰でもいける気がします。
無事合格したら勉強法をあとに続く人たちに伝授してあげてくださいね!
初めてコメントする再受験の者です。
前の記事で上げられていた面接虎の巻のExcelのデータが見られなくなっているのですが、再度上げて頂く事はできますでしょうか。
もしよろしかったらお願い致します。
こんばんはー
探してみたのですが、削除してしまったようですね。。。ごめんなさい。
内容としては再受験生が聞かれそうなこと(「なぜ医学部に入りなおそうとしたのですか?」「勉強についていけないんじゃないですか?」等の厳しめの質問を想定)に対して、極力ネガティブに聞こえないような受け答えを20個近く書いてました。
でも結局は厳しい面接のない大学を受けたので必要なかったです。
お力になれなくてすみません。。。
> 初めてコメントする再受験の者です。
> 前の記事で上げられていた面接虎の巻のExcelのデータが見られなくなっているのですが、再度上げて頂く事はできますでしょうか。
> もしよろしかったらお願い致します。
お答え頂いてありがとうございます。
参考になりました。滋賀医科大学の面接ではどんな質問がでたかというのを教えて頂けますか。
こんにちは
臓器移植、必要とされる医師像、アンチエイジングについて、動物について、情報化社会について、etc・・・
フリートークに近いですね。討論もしませんし、極度に緊張して一言もしゃべれなかった人でも受かってますんで、形だけのモノとして捉えてください。
>>次元さん
>>あだるとひでおさん
前回の記事で再受験について質問した者です。
次元さんに「お前には再受験なんて無理だ」と言われているような気がして、なら仕方ないかと一応納得したのですが、正直まだ諦めがついていないというのが本音です。
もちろん仰ることは理解できますし、再受験の厳しさも分かります。 そこで、私なりに考えました。
そこで、1~2年勉強を継続できるか、そしてきちんと結果が残せるかを試してみようと思います。
「次元大介 再受験」でググるとけいたさんのこのブログが最初に出てくることに気付きました。けいたさんはご存知でしたか。
モンキーパンチ先生が抗議に来ないことを祈っています^^
ところで、母校(っていう意識はあるのかな^^;)の受験で、大変なことがありましたね。
けいたさんはこの事件、どんなふうに見ていますか。
身近に京大生(およびその関係者)がいないので、ちょっと聞いてみたくて。
こんばんはー
期限をつけてやってみるのもいいかもしれません。多分独学に近い状況になると思うので、ツイッターなりミクシィなりで勉強仲間を作ってモチベーションの低下を防いでくださいね。
こんばんはー
「次元大介」でググッても上位に来るようになってしまいました。ブログ名変えよかな。。。そもそもなんでこんな名前にしたんだっけ。。。
今回のような事件はちょこちょこ起こってますよね。京大は東大と比べて「ちゃらんぽらん」なところがあって、カンニングが発覚したのが東大ではなく京大であることになぜか納得してしまいました(笑)。
でもカンニングして入学しても、その後ついていけないんじゃないでしょうかね。京大ならなんとかなるのかな。。。なりそう。
ありがとうございます。
ネットで知った再受験生の方がおられるので、その方と情報交換しながら勉強し、モチベーションを維持したいと思います。
まず今年は数学・物理・化学の基礎を固めるぞー(^o^)/
こんにちはー
ひとまず大手予備校の模試をペースメーカーにして達成度を測るといいですよ。予備校に入って自習室を利用するという手もあります。
医者という目的地に至る道は色々あります。新らしい道を開拓したら、ぜひ次に続く人のために情報を残してくださいね!
了解です!!
いつの日か、地域医療に貢献できる医師になります!!
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今後、本当に精神科医になるとしたらそれは可能な話です。ただまだ何科の医者になるか迷ってる状態です。
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